【開催報告】「寄付」からはじまる新たな可能性をさがそう!

~クラウドファンディングとバースデードネーションの事例から考える~

2月9日、市もんぜんぷら座で寄付について知り考える交流会を市民協働サポートセンターとながの協働ねっとが開催し、NPO関係者など31人が参加しました。

第一部「バースデードネーションを知ろう」

 バースデードネーションとは、自分の誕生日や、団体の設立記念日といった特別な日に合わせて寄付を集める方法です。手数料を引いた額が、事前に設定した寄付先の団体の元に届きます。昨年ご自身の誕生日に合わせてバースデードネーションを実施した亀垣嘉明さん、寺澤順子さんから、そのときの思いを聞きました。

亀垣さんがバースデードネーションを知ったのは2017年都内で行われたイベント。「自分の誕生日に合わせて私が支援したいと思う団体に支援してください」というしくみがとてもおもしろいと感じ「いつか挑戦したい」と胸に秘めていたそうです。亀垣さんの挑戦を見て、「こうした運動が広がってほしい」と続いた寺澤さん。

「自分の誕生日に自分が生まれてきたことに感謝し、次の人・社会のために何ができるかを1年に一回考えるきっかけになる」と寺澤さんは話しました。

2人ともこの挑戦の裏側では、「自分の情報をどこまでさらけ出すのか」「周りは共感してくれるのか」などという葛藤も。しかし、実際に寄付してくれた人の中には「いいコト教えてくれてありがとう」という言葉をかけて支援してくれる人もいたそうです。

バースデードネーションは少額から始められること、「プレゼント」として寄付をするしくみなので「リターン」が求めれるものではないことなど、寄付の新しい形として存在感が増しそうな予感を感じたパネルトークとなりました。

「来年も挑戦する(予定)」とお話してくれましたので、みなさんこうご期待!

●第二部「クラウドファンディングを知ろう」

 第二部はクラウドファンディングの基礎的な知識と、経験者からの成功と失敗のエピソード。参加者の中にはクラウドファンディングにこれから挑戦したいと考えている人もおり、「そもそもクラウドファンディングとは何か?」という話や実際に進める方法を、多くのクラウドファンディング支援をしてきた波多腰遥さんから事例を交えて聞きました。

そもそもクラウドファンディングとは、ネット上で多くの人々から資金を調達する」こと。さまざまな形がありますが、その9割は「購入型」でありリターンが発生します。そのため、リターンがあまりに高額だったりすれば手元に残るお金も少なくなる、手数料も考慮する、その上で集める金額が妥当なのかきちんと考えないといけないそうです。

「クラウドファンディングはやれば集まるというものではない、どういう目的でやりたいのか、終了した後に支援者とどんな関係性でいたいのか、自分自身が事業を見直すいい機会にもなる」と波多腰さんは話しました。

その後実際にクラウドファンディングに挑戦した寺田ユースケさんが登壇し、自身の経験を赤裸々に語ってくれました。寺田さんが挑戦したのは2018年。車イスでヒッチハイクの旅の資金を集めるプロジェクトで目標金額を上回る194万円を達成しました。実施後の感想は「めちゃくちゃ疲れた」。その理由は、目標金額の30%をまずは自力で集めるというアドバイスの元、開始までの2か月に自分の周りの人に声をかけつくしたそうです。いかにプロジェクトを盛り上げられるのか、その存在感を、支援の検討をしてくれる人にどうアピールできるのか。そのためにも準備期間が肝であるといったアドバイスがありました。

最後に寺田さんから、「相手からお願いされたときに返せるのか。自分は与えることができるのかという視点を持ってクラウドファンディングを検討してほしい」とメッセージがありました。

クラウドファンディングのキホンから教えてくれました、波多腰さん!
ユーモラスにご自身の体験を語ってくれた寺田さん!

「いろいろ言ったけど、楽しんで挑戦してほしい」と登壇者のみなさんからメッセージがあり、会場は熱気にあふれました。